日常

星野源というアーティストの曲に「日常」という曲がある。

道路工事の作業員のような格好でトンネルを歩きながら、ツルハシを持ちながら彼がその歌を歌う。ラスサビあたりになるとツルハシがいつの間にかギターになり、それを弾きつつ歌う。最後は壁に空いた穴から自宅に戻り麦茶を飲んで終わる。

 

文字に起こすとただそれだけの動画である。

 

ただ、文字に起こされると逆に伝わらなくなるのが音楽なのかもしれない。歌詞も曲名も星野源の見事に「日常」を表しており、私のお気に入りの曲である。

別に彼をたくさん知ってるわけではないが、いくつか曲を聴いているとまさに「日常」の、「普通」の描写を歌詞にするのが抜群に上手な気がする。歌詞の中には文字のみではあまり聞かない言い回しがあるが、音と彼の声とともに放たれると、これこそ文字だけでは伝え難い安心感のようなものを感じることができる。

 

彼の職業はシンガーソングライター、文筆家、音楽家、俳優、その他諸々。しかも器用貧乏ではなくそれぞれの分野できちんと評価されている。忙しすぎて死んでしまうのではないか。早く伴侶を

いらぬ心配はさておき、ライトなサブカル界からメジャーの世界で顔の薄さに似合わず存在感の塊になった彼。ファースト、セカンドアルバムで発揮したアパートの階段下の苔の雰囲気から一転、クリリン気円斬のごとき最新アルバム。人ってあそこまで変われるのかと納得してしまった。さすがアミューズ、さすがビクター、やることが違うぜ。魂の売り方が違うな、人間の購買意欲のくすぐり方知ってそう。

でもいまでもそこそこに好きな星野源

 

最初から最後まで締まらない文章になってしまったのは、きっと今日一日の私の生活、食生活、今の体勢が問題であろう。案ずるな、人生はまだまだ続く。