こないだのこと

先日、とあるライブに行ってきた。大阪である。福岡からの距離およそ600km超。遠い、かなり遠い。いや、遠かった、気も遠くなるほど。

THE BAWDIESというバンドが主催した対バン企画のライブであり、対バン相手はマキシマムザホルモンである。アツい、相当にアツい。いや、アツかった、非常に。

 

ライブには基本的に一人で行くことが多い。一緒に行く友人が少ないのである。いないことはないが、数多ある趣味の中で音楽に興味を持ち、数多いるアーティストの中で同じアーティストが好きになるなんて、そうそうないことである。

他人に自分の好きなアーティストを勧めることがあまりない。しかしこの話はまた今度、やる気と時間と発想と媒体のすべてがそろった時にまたしよう。

 

一人でライブに行くことが多い故、開演前は基本的にiPhoneくんとにらめっこか周りの人たちの会話を勝手に聞いてる。

 

先日のライブでもそうだった、大体の立ち位置を決めた僕はぼーっとしながらセットを眺めていると、斜め後ろから男女が話しているのが聞こえてきた。

話の内容は、いわゆる邦ロックと呼ばれるアーティストたちを年齢順に言ってみたり、地元の近くのライブハウスの数、過去に行ったらしい対バンライブの中身を熱く語っていた。

 

大嫌いである。

 

このような人種が一番僕の苦手する人である。

もう心の中でずっとツッコんでいた。年齢順に並べてなにになる、グーグル先生に聞いたら何も議論することはない。ライブハウスがどうした、経営者か、資金繰りがたちゆかなくなれ。ジャンルの違うバンドが対バンしたからファンがなんだというんだ、好きで行ってるんだ。あんたも僕も。

この手の人間はいる、もちろんライブハウスにはごまんといる。彼らのみを消せるならライブハウスが半分は空く。確かに互いに音楽が好きで友人になったのだろう、だからそのような話で盛り上がるのだ。共通の趣味があれば余程どちらかがぶっ壊れてない限りそこそこ以上仲良くなるのは間違いない。彼女のいない僕でもわかる。

 

うっすら苛立ちを覚えながら目を上げると、前の男性二人もなにか話していた。

立ち聞きすると、高校生らしく背理法帰納法が理解できないということと、iPhoneのロック画面を見せ合いその画像の裏話を話し込んでいた。なぜこの会場に来たのかなんて、そんな無粋な話を家に置いてきたかのように。

 

気が付くと会場は暗くなり、マキシマムザホルモンの登場曲、SPACE COMBINEのアルバム2000ccの収録曲Marchin' Mint Flavorsが高らかに流れ始めた。彼らはどこかに消えていた。

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